2011年4月27日水曜日

助けを必要とされる方への援助をされる方へ(メッセージ36)

改めまして皆様にお願いしたい事がございます。

これから助けを必要とされている方々の援助を考えておられる方、あるいは今現在、援助活動に携っておられる方々にお願いしたいのでございますが、それが如何なるものなのかと申しますと、あくまでも援助を必要とされているご本人が自主的に求めておられる中で、問題解決してゆく為の“適度な援助”が必要なのであるという事なのでございます。
“過分な援助”はご本人が成長する機会を失ってしまい、繰り返す結果に結びついてしまう危険性がございますので、十分に気を付けながらお付き合いしてゆく必要があるでしょう。

過分な援助と申しますのは、ご本人が置かれている立場について“自ら考え、決断する間も無い”ままに問題の全てを取り除き、環境を整えてしまうという、いわば“施し”の様な状態の事なのでございます。

これらの事柄は、今まで送らせていただきました通信を通して何度もお伝えしている事柄ではございますが、思い違いをされている方々も多い様でございますので、改めましてお伝えする必要があると判断致しました為、こうして通信をさせていただいております。

答えを“与えてあげる”、あるいは“教えてあげる”ことや、問題そのものを“取り除いてあげる”などの“施し”では意味が無く、それでは悩んでいるご本人が成長出来ないのと同時に、皆様ご自身が『私が助けてあげたから問題が解決したんだ!』と思うだけの自己満足に終わる危険性が大きいのでございます。
問題を解決出来るのは、あくまでもその問題を抱えておられるご本人だけなのでありますから、周りにおられる方々が“~してあげる”などという事は決して出来るようなものでは無く、かえって、そのような考えを持っておりますと、援助を試みておられる皆様ご自身が、『あまりにも可哀想だから施してあげる』などの“驕りの気持ちを抱く”などの弊害が生じてまいります。
そうなりますと、援助を試みておられる皆様“ご自身の成長の停滞”に繋がってしまう危険性がございますので、気を付けて謙虚に経験から学んでゆく姿勢というものが大切になってまいります。

周りの方々に関心を払い、『皆様のお役に立ちたい!』と思うことは、とても健全で自然な心の動きなのでございますが、どのような事柄でも“バランス”が重要でございまして、これらの場合に関しましても、相手の方の状態を考慮しつつも“付かず離れず適度なお付き合い”をしてゆくことが大切なのでございます。
これらの事柄を実践してゆく為には、“施しと援助の違い”を理解する必要が生じてまいりますと同時に、“施しの気持ちは驕りから生じ”ている危険性が含まれていることを肝に銘じておく必要がございます。
これらの事柄に加えて、因果につきましてもある程度理解しておく必要が生じてまいります。

援助と申しますのは、悩んでおられるご本人がご自分で出来る事はしていただき、出来ない部分に関しましては手を差し伸べ、倒れてしまわない様に支えてゆく事でございまして、あくまでも、ご本人が主軸となり、事を運んでゆく必要があるのでございます。
共に考え、ご本人に決断していただくことが重要になってまいりますし、それに加えまして、皆様ご自身の“自立を促しつつ支えてゆく”という姿勢が大切になるかと思われます。

因果に関しましては、簡単に申しますと、ご自身が成されました事柄につきましては、“それ相応の責任が生じますよ”という事でございまして、それが良い事であれ悪い事であれ、前世あるいは今生に置きまして成した事柄に対しまして、それらの意味を学ぶのに適した環境に置かれるという事なのでございます。
ご自身で気付かない限り、そこからは一歩も踏み出す事も逃げ出す事も叶いませんので、例え、周りの方々が原因を取り除いたとしても、その効果は一時だけのもので、またすぐに似たような状況に陥り、同じ悩みを抱え続ける事になるのでございます。

これらの事を踏まえた上で皆様を援助してゆく必要があるかと思います。
分かり易く説明致しますと、明日食べる物も無いという方々に対し、食料をお渡ししながら、それと同時に、いずれはご自身で食料を手に入れる事が出来るようになる為の術をお伝えし、徐々に実践してゆけるように促してゆくという活動に例えられると思います。(注――ODAなどの国際支援のあり方についても考えさせられる内容だと思います)

先ほども述べさせていただきましたが、今までお届けさせていただきました通信と重複する内容が多く含まれますのは、これらの事柄に対しましては思い違いをされる方が多く、それらの知識を基に活動された結果、良かれと思って成した事柄が、相手の方の成長を阻害するというケースが見受けられる為なのでございます。
そして、なかなか気付けないまま、繰り返す日々を送られておられる方々が気付く事が出来るきっかけとしてお役に立てたらと思いましたので通信させていただきました。
これらの事柄に関しまして、ご自身の洞察力を持って冷静に熟考し、判断していただければ幸いでございます。

(2007年12月24日)





一連のメッセージの中には、悩みや問題を抱えている人だけではなく、そういった方々の問題解決を援助する方々へ向けたメッセージも見られます。
このメッセージも援助をする側の方々に対して、悩みを抱える方々の成長を促すための援助の姿勢についての説明がされております。
『自分で考えること』の重要性について、随所で強調されていることは既に述べましたが、助けを必要とする人々に対して『(将来的に)自立を促す援助』のあり方が重要である点も同様に、私たちが常日頃から気をつけたい事柄です。
この点が原因となって、日常生活における様々な問題や、国家レベル・国際レベルの紛争に発展するケースも見受けられますので、関連するメッセージと読み比べつつ、理解を深めたいですね。

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