2011年4月25日月曜日

肉体と霊体&苦境を避ける術(メッセージ14)

皆様の様に、肉体をお持ちの方々には五感というものが備わっておりますが、あまりにも強い刺激が加わりますと弊害が生じます。
肉体と霊体との間には密接な関係があり、双方が結び付いた状態が魂となりますが、強い刺激により肉体の一部が破損致しますと機能不全となり、霊体と肉体のバランスが崩れ、とても不安定なものになってしまいます。
霊体からの信号を肉体の側で認識出来なくなってしまうのです。

先に述べた事柄につきましては、学んでおられる方々はよくご存知のことと思われます。

何らかの因果の結果そのような事態が生じ、困難な体験を通しての成長に寄与している訳なのですが、いわゆる前世からの因果ではなく、今生における因果の結果として生じているのであれば、日頃から注意を払い、過ぎた行動を慎むことにより回避することは可能なのです。
生活を楽しむのは良いのですが、考え無しに行動するのは自らを苦境に陥れる結果となってしまいます。
かと言って、経験は貴重な成長の糧となるものですから、良くないと思われるものは全て避けろと言っている訳ではありません。
あなた方の持てる知識と照らし合わせ、知恵を用いて行動していただきたいのです。

これらの事柄についてあなた方自信で考え、答えを導きだして下さい。
その結果、苦境に立たされたとしても自ら選び取った道であり、その経験は必ず成長の役に立ちますので、悲観的にならずに邁進していって下さい。

(2007年12月14日)





このメッセージは、二つのパートによって構成されています。
冒頭の部分は、肉体と霊体の関係について簡単に触れる程度に留めておりますが、詳細を記述すると本が一冊書けるほどの量になるかも知れません。
肉体と霊体、そして両者を媒介するダブルの関係については、マイヤースの『永遠の大道』を参考にすると良いでしょう。
次のパートは、簡単に略してしまえば『苦境を避ける術』についてとなりますが、実際にはより深い意味が込められております。
その点の理解を深める参考になると考え、以下に個人的な考えについての解答をいただきました。
合わせてメッセージ17を読むことによって、より理解が深まると思います。





メッセージ14を受けた個人的な意見への回答


[意見]

この点に関連して、『自分の欲望を抑える事が尊い』という主旨の教義を掲げる宗教が目立つ様に見受けられますが、個人的には『原則的に自分の欲望を抑えるべきではない』と考えます。
欲望が強いと言う事は、自分自身の意識が動物的本能による影響をより強く受けている訳で、霊的な成長度としては未熟な段階と考えて良いと思います。
そして、霊的に成熟して行くという事は、自分の意識の中で動物的本能の影響を低下させるとともに、潜在意識の影響をより強める術を学ぶことなのだと考えます。
ただ、人の肉体を維持する為には、動物的本能も必要であって、それを完全に否定してしまうのはむしろ誤りなのだと思います。
では、どうするのかと言うと、動物的本能を適度に制御する術を身につけるべきなのですが、動物的本能を制御する為にはその働きを知らなくてはならないし、制御に失敗した場合に出る影響も知っておく必要があります。
ですから、未熟な段階にある人が欲望を満たす為の行動を通じて、まず動物的本能の役割とそれによる影響を自らの経験を通じて学び、その次の段階として動物的本能を適度に制御する方法を実践を通して学ぶのが、成熟する為の大まかなステップだと思うのです。

しかし、動物的本能の役割とその影響についての認識が充分ではない人が、特定の宗教的概念の影響によって『欲望は抑えなくてはならない』と思い込んでしまうのは、自ら考える事を放棄して思考停止してしまうと言う意味で霊的成長を阻害し、また動物的本能の役割と影響と言う、人間の機能を知る上で重要な要素に眼を閉じる事になります。
本来であれば、経験を通じて『欲望の充足が必ずしも気持ちの良いものではない』という事を学び、徐々に自分自身の関心を『欲望を満たす』ことから別の対象へと移して行く方向で、欲望に対処すべきだと思うのです。
その段階へ至るまでの過程として、(決して推奨はしないけれども)人が欲望を追求するのは霊的成長への大切なステップとなると思うのです。

以上の考え方について、異見があれば伺いたいのですが。


[回答]

この事柄に関しては、主にある程度学ばれて、基本的な事柄を理解されている方々の為に通信させていただきました。
ご指摘のような事柄を理解されていることを前提に考えておりますので、細かい概念に関しては省かせていただき、簡単に注意を促す程度にとどめさせていただきました。
学ばれている方々であれば、今まで地上界に送られた通信を基に十分に理解できるものと思われるからです。

これらのことを踏まえた上で、改めて皆様に考えてみていただきたく思い、通信させていただきました。
分かっているつもりでも、勘違いしている場合がよくあるのです。

(2007年12月14日)





以上の意見と回答について、特に追加する点はありませんが、一般的な宗教的概念とは少々異なる為、注意する必要があります。
スピリチュアリズムに関するウェブサイトなどにも、「人間の欲望(物欲)は抑制しなくてはならない(それが霊的真理である)」との主旨の意見が見受けられますが、この問答にもありますように、盲目的に自分の欲望を抑えても自分自身の成長には繋がらない――という見解を私たちはとっております。
むしろ、人間に予め具えられている五感を駆使して体験を積み重ねる中にこそ、霊的成長の萌芽が隠されているのです。
そして、私たち人間は欲望の(強制的な)抑制ではなく、欲望を適度にコントロールする術の修得を目指すべきなのでしょう。
上記の内容について、「それではどちらの見方があっているのだ?」と疑問をもたれる方がおられるかも知れませんが、ここでは皆様方に正解をお示ししているのではなく、霊的な知識に対する考え方を深めていただく為に、有用と思われる材料をお示ししております。
また既にメッセージ16で『一見未熟と思われる方の意見に耳を傾ける重要性』ついて触れており、メッセージ16を受けた意見と回答で補足しておりますが、一見役に立たないように見える、あるいは誤っていると思われる霊界通信であっても、その内容についてよく考えてみる必要があると思います。
その結果、一見役立たずに思えた通信の中に、自分自身にとって参考になる教訓を読み取ることができたとしたら、その分だけ自らの成長を促進する為のヒントをつかんだことになるのですから。
なお、人間の意識のメカニズムについては、マイヤースの『永遠の大道』が参考になります。





 霊媒Mの通信精度向上に伴って、上記記事の内容を修正し、より詳細な説明を試みました。
【銀の紐を越えてα:人間は困難を克服する経験を通じて成長する[メッセージ修正版06]】
【銀の紐を越えてα:霊的成長と肉体の関係[メッセージ修正版07]】

双方の記事の内容を読み比べて頂くことによって、霊界通信の送り手が同じ情報を送っていても、霊媒の通信精度の違いが受け取る内容にどの程度の影響を及ぼしているかを感じて頂けることと思います。
現在『銀の紐を越えて』にて掲載中の『霊界からのメッセージ』のうち、「より詳細な説明が必要である」と霊界の住人の皆様が判断したメッセージについては、今後順次『銀の紐を越えてα』に修正版を掲載して参ります。

(2014年7月4日、8月2日追記)

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