地上界を含めました霊界全体は、皆同じ法則のもとに成り立っております。
このことを踏まえた上で、全ての事柄について考える必要があります。
皆様だけに適用されている訳ではないことを、よく覚えておいていただきたいのです。
それにもかかわらず、皆様は人間とそれ以外の存在を分けて考え過ぎているように見受けられます。
霊界で暮らしているあらゆる霊的存在は、皆同じ法則の中で経験し、学び、成長しているのです。
そして、霊的真理を自らのものとして確信するには、誰か他の存在から『善行をなさい。それが使命なのです』と言われたからといって、実行した末に得られるものではないのです。
そもそも、霊的真理は『○○すべき』などといった考えから実践したところで、とても理解できるようなものではないのです。
他の存在に言われたからやると言うのでは、本当の悟りは得られないどころか、霊的成長を阻害しかねず、盲目的に行動しているのと何も変わらないのです。
そのような考えの下に活動しておられる方がいるのであれば、それは、真理について何も解っていないということを、自らの行動によって示しているようなものなのです。
自然に心が動き、それに従って行動しているという状態が最も望ましく、その結果ご自身も周りの方々も喜びに満ち溢れるのであれば、それこそ正に真理を確信していると言えるでしょう。
『ありのままの自分』でありながら実践出来る事が重要なのです。
本当に確信出来ているのであれば、初めて実践する事柄に対しても恐怖より興味の方が勝るはずなので、ほんの少しの努力で実行出来るはずなのですが、ご自身の心の中で何か大きな決断を下さなければ出来ないような事であれば、それはまだ本当に確信しているのではなく、よく解らないのに無理をして、まるで確信したかのように振舞っているだけなのです。
努力する事は大切ですが、そのように無理をしている状態ではまだまだ経験不足であり、苦しいだけで成長する事は難しいでしょう。
そのような皆様はまだ、『これは善行だから間違いない』と、ご自身を誤魔化しているのです。
まずご自身の心に正直になり、己を欺く事を止めなければ何も始まりません。
真理を本当に確信したいのであれば、あらゆる経験を積む必要があり、この世界で起きている出来事の一つ一つが貴重な学びの場である事を知らなければなりません。
この世界の出来事の中に無駄な事は何一つ無いのです。
皆様が勝手に『有益な事』、『無駄な事』と判断しているだけの事であり、それは無知による視野の狭さから来ているのです。
ですが、その様な経験を通して学ばなければ解らない事が沢山あるからこそ、皆様は今のような状況に置かれているのですから、その事をよく覚えておきましょう。
これらの経験を通して徐々に知識が増し、視野が広がり、結果的にご自身の内に持つ世界も広がるのです。
この世界で起きるあらゆる出来事は、それが例え皆様にとって幸福な出来事であれ、不幸な出来事であれ、あるいは善行で悪行であれ、全てはこの世界の法則に基づくものであり、その法則から外れる事は何人たりとも出来ないのです。
法則から外れるという事は、霊界全体の創造主を越えるという事なのですから、そのようなことは永遠とも思えるような経験の中で多くの学びを得たとしても、果たして辿り着けるのかどうかなど、今の皆様や私どもでは到底知ることが出来ないほどの深い知識と広い視野が必要なのです。
ですから、皆様が何回失敗を繰り返したところで、それはやはり一つの法則の下に繰り返されている事であり、決してそこからはみ出す事はないのです。
その点を勘違いなさっておられる方が大勢いらっしゃるようなので、気をつけていただきたいと思います。
そして、これらの法則は動植物などの他の生命に対しても働いているのであり、それに基づいて肉体や環境が用意され、その中で生活してゆく経験を通してそれぞれに抱えている因果を解消するために学んでいるのです。
彼らも霊的知識を理解するためにその環境を選び、生活しているという事を決して忘れてはいけません。
これはとても大切な事なのです。
保護を声高に叫び、ご自身とは違う文化を持った方々を非難し、踏みにじり、ご自身がされている行為には目も向けずに、驕り高ぶった態度で『善い事をしている！』などと思い込んでおられる方々が大勢いらっしゃいますが、それらの行為はご自身の無知や狭量さ、身勝手さを世界中に宣伝してまわっている行為であり、物事の本質を見誤っているとても恥ずかしい行為なのです。
一度痛い目を見ないと解らないのかもしれませんが、どの様な場合でも、ご自身の行動を冷静に観察出来る思慮深さを持つことが大切です。
人というものは得てして他の方の行為はよく見えるのに、ご自身のこととなると突然盲目になってしまいがちなのですから。
『人の振り見て我が振り直せ』と言うでしょう？
他の方の行動で気になることがあるなら、まずご自身を振り返ってみる必要があるでしょう。
『他は己の鏡であり、己は他の鏡』なのです。
このことをよく覚えておきましょう。
そして、ただ『救ってあげる』事が、必ずしも相手のためになる訳ではないことをよく知っておきましょう。
危機的な、あるいは不幸だと思われる状況に置かれるという事は、その経験を通してしか学べない真理を、その方が今学んでいるという事なのですから、あくまで援助に止めておいて、基本的には自主性とご本人の生きる力に任せましょう。
問題を全て取り除いてしまっては折角の学ぶ機会を失ってしまう事になり、また同じような苦しみを味わう結果となってしまうのですから。
苦しみを味わうのが一度で済むのなら、その方が良いと皆様も思われませんか？
私どもが一番気がかりに思うのは、周りの方から『これは素晴らしい！ 是非実践してみるとよいですよ』などと言われた事を鵜呑みにし、ご自身で考える事を止めてしまい、ただ言われた通りに従順に活動して、その事に何の疑問も持たない方々の事なのです。
それでは、折角の飛躍のチャンスを棒に振っていることになり、本来なら、『なぜそんなに多くの人々に支持されているのか？』や、『ここに書かれている内容は私達に一体何を伝えようとしているのだろう？』など、色々と考える材料が提供されているにもかかわらず、何も見えていない状態であり、本当に勿体無い事ですから。
これも一つの経験ではあるのですが、出来ればご自身で考える事を止めないでいただきたいのです。
どの様な状況下で行なわれた事柄であったとしても、責任は全て事を成されたご自身が負うものなので、『○○さんの言う通りにしたのだから私は悪くない！ 全て○○さんの責任だ！！』などと言い逃れする事は出来ないのですから、どの様な時でもご自身の納得のゆく行動をした方がよいとは思われませんか？
『自分で蒔いた種は自分で刈り取る』——それがこの世界の法則なのです。
誰一人としてその法則からは逃れられないのですから、ご自身の思うとおりに、ありのままに暮らした方が納得もゆくとは思われませんか？
納得出来れば、結果としてどの様な事が起きたとしても受け入れることが出来ますし、結果を受け入れることが出来れば、その経験から多くの学びを得て霊的視野を広げるチャンスになるのです。
このチャンスを逃す手はないと思われますが、皆様はどの様にお考えでしょうか？
周りの方々に振り回されるのではなく、何事もご自身で考えて決断する癖をお付けになれば、きっと今までぼやけていた視界が開けて、ご自身が何をしたいのか、何を目指しているのかがハッキリと見えてくるようになるでしょう。
心の声に逆らわずにその小さな囁きに耳を傾け、よく聞いてみましょう。
そして実現に向けて綿密な計画を立て、日々努力し続けていれば、必ず喜びと共に成就することでしょう。
あなたの思いを叶えてあげられるのは、やはりあなたご自身でしかないのですから、その思いをどうか大切にして下さい。
その経験は必ず学びの機会を生み、多くの知識をもたらす事でしょう。
大切な事は『ありのままの自分』であり続ける事なのです。
それからもう一つ、『ご自身からは決して逃げる事が出来ない』という事も忘れずに。
（2008年2月22日）
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