2011年5月7日土曜日

負の感情を抱くということ(霊的知識の教科書:10)

日常生活の中で、苦しみや悲しみ、不安や恐怖、絶望などを皆様も一度くらいは感じた事があるのではないでしょうか?
これらの感情は知識不足による霊的視野の狭さから来るものなのですが、これらの感情を抱くのは霊的成長の途上においてはごく自然な反応であり、霊的知識を確信する上で重要な役割を果たす要素となります。
不安や恐怖などの感情があるために常に注意深さを心がけ、無謀な行動を防いで身を助けるための役に立ちますし、苦しみや悲しみ、絶望を感じるからこそ、人の心の温かさに触れた時に、何とも言えない感動を覚える事が出来るのです。
これらの感情は、皆様にとって己の限界を知るバロメーターの役割を果たしております。
己の限界を知っていることは霊的成長を遂げる上で大変役立つのです。
いくら努力が大切だといっても、限界の遥か先を行く事柄にいくら挑戦したところで、ご自身の身体や精神を蝕むばかりで、霊的成長などとても望めないでしょう。
これらの行為は努力ではなく無理をしているのであり、無謀な行為といえるのです。
限界のほんの少し先にある事柄をコツコツと地道に行い、経験を積むのが霊的成長には一番の近道といえるでしょう。
『塵も積もれば山となる』という言葉がありますでしょう?
実は、これが一番確実な方法なのですよ。
どのような物事でも一朝一夕に成せるものなど何も無いのですから。
『これさえ成せばあなたも完璧』などという、まるで魔法のような効果を上げる方法など無いのです。
一足飛びに物事が運べば確かに楽でしょうが、それでは確信を得ることは叶わないでしょう。
皆様が地上界に生まれてきた目的はただ一つ、霊的知識に対する確信を得るための経験を積むためなのです。
その結果として霊的視野が広がると、また新たな世界へと赴き、更なる成長のために多くの経験を積むのです。
このようにして成長を遂げた先に何が待ち受けているのか、創造主は何のためにあらゆる霊的存在を創造されたのかは、今の皆様や私どもでは想像もつかないことであり、考えても仕方のない事ではございますが、成長し続けていればいつかその謎も解き明かされる日が来ることでしょう。
今は出来る事をコツコツと成し続け、少しでも霊的視野が広がるように努力してゆきましょう。
その様な日々の積み重ねが、皆様の心を穏やかに、幸せを感じながら暮らせるようになる唯一の方法なのですから。

この世界に存在する全てのもの、あらゆる感情、これらは皆必要であるからそこにあり続けるのです。
『有害、無害』、『善悪』、『優劣』と皆様が判断ているものの内、いわゆる負の感情に属するものがこの世界に必要ないのであれば、世界そのものに負の感情の概念は存在しない事でしょう。
皆様はその存在を知らず、触れる事も無く暮らしている事でしょう。
この事実が何を意味するものであるのかは、思慮深い皆様にはもうお気付きの事と思われます。
一つの事柄に対して『善悪』のように存在そのものに基準を設け、判断をしているのは皆様ご自身の心であり、皆様の目の前にある事柄自体には、そのような決まった形は存在していないのです。
同じものを見てもどのように感じるのかは『十人十色』であり、一つの価値観に収まるようなものではないのですから。
『何が善くて何が悪いのか』では無く、今の皆様にとって『何が一番大事で何に安らぎや喜びを覚えるのか』のほうが余程大切な事なのではないのでしょうか?
もちろん、どのような物事にも全てに因果が働きますので、どのような結果が待っているのかは皆様ご自身の行動次第と言えるでしょう。
その結果、どのような事態が待ち受けていたとしても、それは皆様が成した事の結果であり、その結果を通してしか、ご自身の成した事柄の意味を悟る事は出来ないでしょう。
成長するにつれて悲しみや苦しみが減り、喜びや笑顔が増えてゆくことでしょう。
どのような経験もそれぞれに大切で価値あるものであり、霊的成長に決して欠かせない要素である事を皆様も覚えておきましょう。

(2008年3月7日)

0 件のコメント:

コメントを投稿