2011年5月4日水曜日

悪魔と悪霊(メッセージ71)

今日は基本的なことを改めてお話したいと思います。

何かトラブルに見舞われると『悪魔の仕業だ』と言ってみたり、『悪霊に取り付かれているせいだ』などと思い込んでしまう方も大勢おられるようですね。
ですが、ここはひとつ冷静に考えてみていただきたいのです。
『悪魔』や『悪霊』とは何のことなのでしょうか?
霊界を含めましたこの世界には、そのような存在はおりませんよ。
皆様にとって都合の悪いものはみな、『悪霊』や『悪魔』が取り付いたためであると考えることで責任をそれらのものに押し付けてしまえば、それは皆様は気分的に楽でしょうが、そのようなことをしていてはいつまでも問題は解決しませんよ。
全ては皆様ご自身の心の在り方が引き起こしているものなのですから、どんなにご自身以外のところに原因を求めても解決しないのですよ。
それに、例え霊に憑依され干渉を受けていたとしても、霊も皆様と一緒で居心地のよい人の側に寄りたがるものなのです。
それらのことを考えると、例え霊に憑依されていたとしても、それは皆様の心の在り方の反映であり、『居心地がよい』と霊に思わせてしまう皆様ご自身が変化しないことには、いくら御祓いをしてもらったところで意味は無く、一度離れた霊が舞い戻ってくるか、もしくは違う霊が寄ってくる事でしょう。
霊に干渉されるような事態を避けたいのであれば、自我を強く保つ事です。
ご自身の考えをしっかりと持ち、どのような事態になっても動揺することがないような確かな強い心を育むことです。
その為にはまず、どのような問題に対しても、ご自身で考え決断するように心掛けましょう。
ご自身の心に素直に従うのはとても大切な事なのですよ。
そして、どのような結果が出ても謙虚に受け止められるゆとりを持てるように努力しましょう。
最初は失敗する事が多いかもしれませんが、それらの経験を積み重ねるうちに徐々に視野が開け、広い範囲を観察できるようになってきます。
そうすれば、以前は失敗してしまった事でも、今度は同じ失敗をする事はなくなるでしょう。
これが霊的に成長するということなのです。
いくらご自身の心に素直にと言っても、身勝手な考えから周りの方に迷惑をかけ、不快な思いをさせれば当然因果が働きます。
ご自身が成した事の意味を悟るまでは抜け出す事は出来ませんのでよく覚えておきましょう。
身勝手な行動が何を意味するのかに気付くまでは、皆様にとりましては苦しい日々が続くことになるでしょう。
身勝手な行動というのは、未熟なために知らないからこそ出来る行為であり、成熟するに連れて徐々にそれらの行為が何を引き起こすのかを理解するようになるので、意味を見出せなくなってくるものです。

皆様が『悪』と呼ぶ存在は全て、『未熟』な存在というだけのことであり、『悪』と呼ばれる行為が何を意味することなのかを知らないために、理解できないから犯してしまうのです。
『悪』ではなく『未熟』であるということをよく覚えておきましょう。
それと、『悪』というのは、皆様が不快に思うものをそう呼んでいるだけであって、本来忌み嫌われるようなものではないので注意が必要です。
『善』と『悪』は表裏一体の存在であり、物事には全て両方の要素が含まれているものなのです。
ただ皆様は、まだ広い視野で観察出来るだけの霊的知識を身に付けていないので、一面からしか物事を観察する事が出来ないだけなのです。
これらの霊的知識は、生活してゆく中で多くの経験を積む事により、きちんと学び取れるので心配する事はないでしょう。
皆さんは何気なく日々の生活を送っているのでしょうが、全ての経験の中に霊的知識を学ぶためのエッセンスが含まれているのですよ。
いつもアンテナを張って積極的に取り入れていくのか、それとも素通りしてしまうのかは皆様次第です。
これが自由意志というものですね。
いつでもどこでも学ぶ事は出来ますが、それをするかしないかは皆様が選ぶ事なのです。
好奇心を持って積極的に学べば、一度の経験で次のステージへ進めるかもしれませんが、考える事も無く、何となくだらだらと過ごしてしまえば、いつまでも同じ苦しみの中に留まり続ける結果となるのです。
このことをよく肝に銘じておくとよいですね。
とは申しましても、心身ともに疲れ果ててしまうほど張り詰めるのは逆効果ですので、程々に休憩しながら実践しましょう。

これらの知識を参考にしながら霊的成長に励んでください。

(2008年3月28日)





メッセージの冒頭にもありますように、霊的知識への理解を深められておられる方にとっては改めて強調されるまでもない、極めて基本的な認識が今回のテーマとなります。
また、人間的な尺度から見た『善悪』については、すでにメッセージ50でも解説されております。
しかし、その様なメッセージが送られてくる背景には、やはり表面的な善悪の認識に惑わされたり、その挙句自分にとって都合の悪い出来事の原因を正体不明の『悪魔』に求めることによって、本当の原因から目を逸らしている方がそれほど沢山いらっしゃる――霊界からはその様に見えるのでしょう。
もっとも、既にメッセージ38でも解説されておりますように、私たちの世界には『因果律』という自然法則があまねく作用しているのだという確信があれば、自分にとって都合の悪い出来事の発生する原因は自分にあるのだという――ごく当たり前の結論に至るのですが。
とはいえ、それを素直に確信出来るようになるには、それなりに様々な体験と物事に対する観察力と洞察力、それに加えて何事についても自分なりに考えることが重要になるでしょう。
一見日常生活の何気ないルーチンワークの中にも、実は霊的知識に対する理解をさらに深める為のキッカケとなる材料は幾らでも見出すことが可能ですので、そんな普段の生活を以前より注意深く観察することによって、霊的知識についての考えを深められてはいかがでしょうか。

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