2011年5月8日日曜日

国家における『軍隊』の役割(メッセージ83)

随分と長い間ご無沙汰いたしましたが、久しぶりにメッセージをお届けしたいと思います。
今日は国家における『軍隊』の役割についてお話いたしましょう。

さて、皆様は『軍隊』に対してどのような印象をお持ちでしょうか?
『軍隊』と聞くと、『戦争』をイメージしてしまう方もおられるのではないのでしょうか?
ですが、『軍隊』とは『国家のための警備員』であり、戦うためにあると言うより、守る為にあると言えるのです。
即ち、『軍隊』が存在しないということは、警備員もいなければ、セキュリティーシステムも設置されていない豪邸のようなものであり、そのような無防備な状態では強盗に襲われても仕方がないでしょう。
何故なら、危険とわかっていながら警備体制を整えていない時点で『襲ってください』と言っているようなものであり、それが行動として現れているからです。
それに、セキュリティーが充実していれば『強盗しよう』と考えることも無く、真っ当に生きてゆくかもしれない人に、無防備でいることで『邪念を抱かせる原因』ともなってしまいます。
『類は友を呼ぶ』と言う言葉がありますが、上記の現象も同じ事で、犯罪を『招く側』と『犯す側』で、お互いに引き合っているのです。
アクションを起こす側なのか、それとも受ける側なのかと言う違いだけで、性質としては似通ったものを持ち合わせているのです。

今、日本には自衛隊が存在しておりますが、現状では、セキュリティーシステムを備えていながら電源が入っていない状態の豪邸に等しいと言えます。 
折角、警備体制を整えていても、いざと言う時に機能しないのでは意味がありません。
それでは、無防備であるのと違いは無いでしょう。
米軍に依存しきっている国民の皆様の意識を変えないことには、日本の護りを強化するのは難しいと言えます。
そろそろ自立する事を考える時期に来ています。

いくら不景気だと言っても、外国から見れば日本は豊かであり、とても魅力的な国なのです。
そんな国が無防備な状態にあったとしたらどうでしょう?
たちまち侵略されてしまうのではないのでしょうか?
今は米軍が駐留しているために下手に手が出せないだけであり、決して、日本の皆様と周辺諸国の皆様が『同じ様な価値観で物事を考えているわけではない』という事を、よく肝に銘じておく必要があるのです。
皆様が思いつきもしないような事を考えているかもしれないのです。
あらゆる事態を考え、備えておく必要があるのです。
その為に、諸外国からの干渉や侵略、略奪行為の抑止力として『軍隊』は必要なのです。

世界的な価値観の共有化が見られるようになったとき、初めて国境が無くなり、結果的に『軍隊』も必要なくなるのです。
ですが、現状を見る限りでは、今しばらくは必要なようですから、甘い考えは捨てて、現実と向き合い、冷静に対処してゆきましょう。
甘い考えを持つ事が、罪の無い隣人に邪念を抱かせてしまう原因であることを、よく肝に銘じておきましょう。

皆様の世界に、穏やかな笑顔が満ち溢れる日が一日も早く訪れますように。
お付き合いくださり、まことにありがとうございました。

(2008年7月20日)





さて、メッセージにもありますように、1ヵ月半程の間隔を置いた久々のメッセージとなります。
今回のテーマは「国家における軍隊の役割」との事ですが、これまでは大半の日本人が日常生活の中で余り意識をしなくても何とかなっていた問題です。
しかし、20世紀を支配していた国際社会の枠組みが変化し、かつては争いごととは無縁と思われていた私たちにとっても、周辺諸国からの圧力という形で、いつしか否応なく「日本における軍隊の存在意義と必要性」を認識せざるを得ない環境に置かれてしまったように思います。
以前(メッセージ3)では若干触れましたが、一連のメッセージにおいてはむしろ「武力に頼っても争いごとは解決しない」という立場で一貫しております。
ですから、突如軍隊の必要性を説かれても一見相容れない印象を持たれる方もおられる事と思われますが、その様な方にはぜひ「『軍隊』とは『国家のための警備員』であり、戦うためにあると言うより、守る為にあると言えるのです」の意味合いについて、お考えいただければと思います。
社会を構成する全ての人が、「互いにとってもっともメリットを最大化する手段が秩序の維持である」ことを認識し、自ら実践に励んでくれれば、敢えて武力を保持しなくても心地好い社会が維持できるのですが、「社会を構成するのは必ずしもその様な考え方の方ばかりではない」という現実にも目を向けなくてはなりません。
メッセージ77)にあるように、社会の秩序を維持するために(現時点で)必要とされる束縛が、上記メッセージにおける『守る為の軍隊』の存在意義なのでしょう。
一方、日本国内で軍隊に対する否定的な印象を持たれる方の意見を聞いていると、日本が他国に侵攻する懸念を訴える方が多いように見受けられますが、現代においてはむしろ日本が周辺国の侵攻を受ける事態の方が遥かに現実性の高い脅威であることを強調しておきたいと思います。
同じ国の中でも、その中でももっとも身近な家族の間でも意見の食い違いや対立は日常的に起きています。
ましてや、長年に渡って異なる文化や習慣の中で暮らしてきた外国人との意思疎通が、そう簡単に図れる訳がありません。
その様な相手とも、長期的には互いの価値観を共有させて、共に同じ秩序の中で生きた方が双方にとってメリットが高いのですが、その様な好ましい環境を一朝一夕に作り上げることは不可能です。
ですから、お互いが時間をかけて徐々にお互いを理解する環境を作る前提条件として、当面お互いの抱く反感や嫌悪感が強まらないように工夫を凝らさなくてはなりません。
上記のメッセージで「『軍隊』とは『国家のための警備員』であり、戦うためにあると言うより、守る為にあると言えるのです」とあるのは、まさに理解の深まっていない隣国同士が過度の摩擦を深めない為の工夫の一つと言えるのです。

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