2011年5月7日土曜日

運命と宿命(霊的知識の教科書:12)

『運命』とは運ぶ命と書き、『宿命』は宿る命と書きます。
『宿命』は宿る命ですから、皆様がこの世界に生まれてくる際に、効率よく霊的成長を遂げるためにと選んだ環境や状況、肉体などを差します。
これらの条件は皆様が(生誕前に)前もって選んだのですから、その枠の中から出る事は出来ません。
ですが、その枠にはある程度の余裕がありますので、自ら選び取った行動によって結果に違いが出るのです。
その枠の中の余裕の部分が『運命』といえるでしょう。
運ぶ命ですから、自らの意志で事を運んだ結果得られるものが『運命』といえます。
ですから、『運命』は皆様の自由意志の行使の結果といえるものなのです。
このように、文字というものは大変的確にその時々の状況を表現しております。

『宿命』と『運命』について、もう少し分かり易い例えを使ってお話いたしましょう。

皆様が住宅を購入されたとします。
この住宅ですが、基本的な枠組みの部分を『宿命』と置き換えることが出来ます。
枠組みとは、手を加えてしまうと住宅そのものの重みに耐えることが出来ず、壊れてしまうような基礎の部分を差します。
そして、内装や家具、調度品など、皆様の自由な発想で手を加えられる部分を『運命』に置き換えることが出来ます。
これは、住宅の基礎の部分に守られた範囲内での変更なので、自由に行う事が可能です。
どのような壁紙を張るのか、どのような家具を置くのかで部屋の印象はガラリと変わるでしょう。
また、よく手入れを行なっているのか、だらしなくしているのかの違いでも印象が変わります。
家の建屋自体は同じものでも、皆様の選択次第で全然違う印象を周りの人々に与えるようになるでしょう。

以上のことからもわかりますように、『宿命』は動かしようのないものであるのに対し、『運命』は皆様の選択次第でガラリと変わってしまうという性質を持っているのです。
その動かしようのない『宿命』の中で、幸せな『運命』をいかに引き寄せるのかは、皆様の考え方や行動にかかっているのです。
その事をよく理解したうえで物事を判断し、行動に移すようにしましょう。
今、皆様が抱えておられる問題や置かれている状況は、全て、皆様が自分自身で選び取った結果であるということをお忘れなく。
そして、皆様の心の在り方や行動次第で、同じ環境にあっても幸福を感じながら暮らしてゆけるのだということも覚えておきましょう。
そのように考えますと、皆様が今経験しておられる事柄の中から、霊的知識を確信するほどの学びを得られるのか、それとも何気なく生活し、それらの知識を見過ごしてしまうのかも、日々の生活における皆様の選択次第なのです。
『宿命』の部分で、皆様がそれぞれにこの世界で学べる霊的知識の限界は定まっております。
しかしながら、『運命』の部分で自由に選択することが可能であるため、それらの霊的知識を学び取れるかどうかはその都度変化し、一度で学び取れなければ二度、三度と繰り返す事になるのです。
そのような訳ですから、『運命』と『宿命』は言葉としては似たような響きではありますが、その実は全然異なっているものなのです。
これは大切な事ですから、混同してしまわないようによく覚えておきましょう。

(2008年3月28日)

0 件のコメント:

コメントを投稿